上野村

STORYNo.019

我々にとって、何の無理もなく自然に生きていける場所

上野村でご結婚し、結婚52年を迎える藤田さんご夫婦。週末はおやきを作って「道の駅うえの」で 販売もされているようです。上野村での暮らしや夫婦円満の秘密について教えてもらいました。

  • 藤田 源一郎さん・スエさんご夫婦
  • 源一郎さん・スエさん:上野村出身
  • 村民歴 源一郎さん・スエさん:ずっと上野村

お二人はずっと上野村で暮らしているんですか?

「俺はね、ずっと上野村」(源一郎さん)

「私は川崎で生まれたんですよ。それで0歳のときに、上野村の乙母(おとも)というところに疎開して。それからはずっと上野村なので、もう上野村産まれ・上野村育ちと同じようなものですね」(スエさん)

お孫さんがいらっしゃると伺いました。

「ここで2人の男の子を育ててね。長男は埼玉、次男は味噌汁の冷めないような距離にいますよ。次男が上野村で就職して、男の子と女の子が生まれてね。上の男の子はもう高校2年生になって。今年の夏休みは『じいちゃんちで焼き肉がしたい』っていう希望が出たようで、一晩泊まりだったけど遊びに来てくれましたよ。やっぱり可愛く思っています。女の子は中学1年生で。だんだん物事もわかってきましたし、可愛い盛りです」(スエさん)

お二人の仲の良さの秘密は?

「もう結婚して一昨年で50年? じゃあもう52年か」(源一郎さん)

「この人は、なんでもないような感じでもね、いつもちゃんと話を聞いてくれるんですよ。私が『これが欲しい』って話をして、そのときは黙っていたりするんだけど、その後フラッと出かけていって私が欲しかったものを買ってきてくれたりとかね。いつもお父さんありがとうね」(スエさん)

「ああ、そうかい(笑)」(源一郎さん)

上野村ではどんな暮らしをされているのでしょうか。

「いつもはお野菜を作って、合間におやきを作って道の駅に持っていきますね。私は配送はできないから、配送は主人に頼んでいるんですけれど、農協のスタッフの人たちがいつも気持ちよく受け入れてくれて。『売り切れましたよ』『明日は天気も良さそうだしどうですか』なんて、無理を言わない程度に促してくれるというか。売り手さんだってやっぱり売れ残るのはつらいから、おかげさまで気持ちよく出荷できていますね」(スエさん)

「こんなものが売れるんだよなぁ。ありがたいね」(源一郎さん)

野菜はどんなものを作っているんですか?

「お野菜はね、葉ものですよ。あとはこんにゃくを作りたいからね、こんにゃくも少し。冬は少しばかり出荷もしてるんですよ。でも基本的には家で食べる程度のもの。白菜、大根、ほうれん草とか、青いものを1年中ね。そもそもね、ここらへんでは野菜の販売というもの自体なかったんですよね。何年か前までは、上野村の人が野菜を出荷するということなんて考えられない時代でした。でも、ここ何年かは農協の方が力を入れて、今はいろんなところに並んでるみたいですけどね」(スエさん)

「みんな上野村のイモは美味しいって言うよ。朝晩の温度差があるから、作物が美味しくなるんだよ」(源一郎さん)

最後に、お二人にとっての上野村の魅力を教えてください。

「我々もずっとここに住んでるけどね、何もわからないね(笑)。でも、私達もこんなふうに結婚して村に住んでますけども、やっぱりいいところだと思いますし、自然に生きていけるという感じかな。何の無理もなくね」(スエさん)